♪ラ・ボエーム
あの頃のモンマルトル 壁を伝うリラの花が部屋のすぐ真下まで来ていた
みすぼらしい家具付きの安アパート 僕らの出会いもそこだった 腹をすかした画家とモデル
ラ・ボエム…それは幸せだった たとえ人並の食べる物がなくても
近くの喫茶店に行っては 未来を熱っぽく語ったものだった
おなかの中は空っぽでも 頭の中には夢が溢れていた
偶に絵が売れ暖かい食い物にありつくと ストーブに群がり 寒さも忘れ詩を朗唱したものさ
ラ・ボエム…それはすてきな君 ラ・ボエム…僕たちはみんな才気に溢れていた
よくカンバスに向かって徹夜もしたものだった 夜が明け初める頃デッサンの修正も終わると
ミルク・コーヒーを前にどっかと座り込んだ 疲れ切ってはいてもうっとりとした気分だった
二人に愛がある限り そしてそれが生活のすべてだったのだから
ラ・ボエム…それは二十歳の頃の君と僕 ラ・ボエム…たとえ水だけでも生きられたあの頃
今あの辺りを訪れてみると 青春時代のあの町並みも通りもすっかり変わっていた
石段の一番上からアトリエを探してみても それらしいものは何一つ残っていない
新しいモンマルトルはどこか余所余所し気で リラの花も枯れ果てていた
ラ・ボエム…遠い昔、遠い夢 すべてに一途だったあの頃
ラ・ボエム…その言葉は今はもう何を意味することもない
※ boheme:放縦に生きる人,芸術家,自由奔放な生活,ボヘミアン
♪イザベル
長い間僕は自分の殻に閉じこもったままだった
でも君の声が目覚めさせ 僕はあっという間に恋に落ちた
* イザベル イザベル イザベル 僕の命イザベル
君と居れば知らぬ間に時は過ぎて行く 君の居ない日は一年のように思える
そんな日は人生が終わったかのように 僕の身も心もかき乱される
*
君は華やかな世界に生き 僕の周りは陽の当たらない世界だ
君は人生に命を懸け 僕は恋に命を懸ける
*
僕は君の影を慕って生きてゆくだけで幸せなんだ
君がいつまでも僕の傍に居ても好いと言ってくれたなら
*
♪ラ・マンマ ♪幸せの遺産
※ 僕がアズナブールを知ったのは「ラ・マンマ」が最初です。
当時のフレンチ・ポップスはアダモの「ブルージーンと革ジャンパー」の世界でした。
発音の関係でしょうかフランス人の歌手には美声の持ち主は数少ないように感じます。
声質が喋べくり調です。アズナブールはその特徴をよく生かしているように思えます。
♪愛のために死す
私の人生の内襞は滑りやすく 縋り付いていても滑り落ちてしまう
ゆっくりと 定めの行き着くところへ 愛するが故の死に向かって
どんなに世間の人が後ろ指を指そうが それは私の唯一の避難場所
どっちを向いても私に開かれた扉はない 愛するが故の死の他には
愛するが故の死に向かって 止むにやまれず暗闇の世界に溺れ込み
自分の人生を引替えにして 愛の報いは甘んじて受けよう
たとえ肉欲の罪は犯しても 自分の気持ちに恥じ入ることはない
世間のことなんて うっちゃっておけば良い
みんな安っぽい頭で お互いに憎しみの目で見合っているのだから
愛するが故の死に向かって
二人の愛が添い遂げられないなら 本など何の役にも立ちはしない
それならいっそ燃やしてしまう方が良い 愛するが故の死に向う為
頭を上げて出発するのだ 負け犬を返上して出かけよう
今までのことはすべてお払い箱にして 愛するが故の死に向かって
愛するが故の死に向かって 死んだ気になって
すべてをかなぐり捨て 自分たちにあった物だけ持って行けばよい
あなたは春 私は秋 あなたは私に夢中になり 私は身を捧げた
そして私の行き着く先はもう定まっている
愛するが故の死に向かって 愛するが故の死に向かって

♪ラブ・ワールド
「ラブ・ワールド」は、ファッシヨンのワコールがスポンサーのFM放送番組「ワールド・オブ・エレガンス」
のテーマ曲です。ジェット・ストリームのお昼版といった感じですが、当時はホストの細川俊之の低音の
ナレーションは城達也より印象的でした。
民放のFM放送が始まった時期で、「週間FM」「FMfan」といったFM週刊誌が何冊も出ていました。
僕は毎週「FMレコパル」を購入して、一週間の番組表からオープン・デッキに録音する番組をチェック
したものです。平和で長閑な時代でした。
♪ワールド・オブ・エレガンス
僕は小さい頃、空を飛ぶことに強い憧れがありました。
小学校への行き帰り、大空を飛ぶ旅客機や、一直線の白を描いて空の青を突き進むジェット機を見て
あんなに自由に、我が物顔に空を飛び回れたらどんなに好いだろうなぁって、いつも思っていました。
しかし小説家になりたいと思ったことはあっても、パイロットになることは思ってもみませんでした。
可能性を言うならパイロットの方が容易でしょう。でもパイロットになるには当面の勉強が大変です。
怠け者の僕は無意識にそれを避けていたのです。そして当面はだらだら出来る方に懸け
ていたのです。
♪ジェット・ストリーム
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